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「運用してこそ」のマニュアル。 活きたマニュアル作りと運用について。

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マニュアルが棚の中でホコリをかぶっていませんか

 

マニュアルはあくまで目的を遂行するための手段です。

大事なことは、「マニュアルが有るか無いか」ではありません。

マニュアルをしっかり「運用できているかどうか」です。

そこをはき違えている人が多いこと多いこと。

 

マニュアルの必要性について考える

近頃、やたらコンプライアンス(法令遵守)が叫ばれています。

これは、コンプライアンス(法令遵守)を浸透させることが難しいことを暗に示しているともいえます。

 

組織に存在する多くのルールやマニュアルが機能不全を起こしていることは、敢えて口には出しませんが周知の事実。

マニュアルの多くは、棚の中でホコリをかぶっているのではないでしょうか。

  

しかしなぜか、ニュースになるようなトラブルが起きた時、「マニュアルが無かった」「マニュアル通りに出来ていなかった」ことが問題になります。

マニュアルがホコリをかぶっていることは誰もが知っていながら、マニュアルは必要だという言説に乗ってしまいます。

 

「マニュアルを守らなくて、よく今までトラブルが起きなかったな」

 あまりにも白々しいセリフです。

マニュアルが無くとも、だいたいの場合問題なくイケるのではないでしょうか。

 

マニュアルを頼りにしながら仕事するのは最初だけ。

あとは自分流で仕事をする。

 

「マニュアルが全てではない」

その通りだと思います。

この考えには、多くの人が共感できるのではないでしょうか。

 

ただ、そうとなると、もはやグチャグチャです。

マニュアルは必要という事実。

マニュアルがホコリをかぶっているという事実。

何かあればマニュアルの必要性を白々しく唱える。

一方でマニュアルが全てではないとも主張する。

 

いったい、マニュアルをどのように取り扱いたいのでしょうか。社会人諸君。

ねじれにねじれたマニュアルの捉え方。

 

 

マニュアルをややこしくする人種 

私は、マニュアル自体に問題があるとは考えていません。

マニュアルの捉え方を間違っている人たちに問題があると考えています。

その人たちが、マニュアルをややこしくしているのです。

 

組織には、マニュアルの取り扱い方を知らない2つの人種が存在します。

1つ目の人種は、マニュアルやルール無視の現場至上主義者。

2つ目の人種は、マニュアルがあれば大丈夫だと信じている、マニュアル信者です。

 

現場至上主義者

ルサンチマンの塊です。

組織の決まり事より、現場で仕事をしている自分たちの考えが最も正しいと考えています。こういった主義を持つ職員がマニュアルを形骸化させています。

 

この背景には、特に接客業のような対人の仕事によくみられる、「応用力の要求」があると思います。

 

対人の仕事にもマニュアルはあります。

しかし、実践の場面ではマニュアル通り片付くことは少なく、常時応用を利かさなければ対応できないことが多いです。

 

となれば、マニュアルを忠実に実行する職員よりも、応用力を兼ね備えている職員が優位に立ちます。

こういった背景が、マニュアルを形骸化させていると言えるでしょう。

 

マニュアル信者

マニュアル信者は、どちらかと言えば組織の上の方に存在します。

マニュアル信者の特徴は、以下の通りです。

  • 問題が発生すれば、その問題に対するマニュアルが存在しなかったことが問題だと考える。
  • 問題は、マニュアルを作成すれば解決できると信じている。
  • マニュアルが守られていない多くの事実を目の当たりにしながらも、「マニュアルを作ること」に安心を求めている。

 

「現場至上主義者」と「マニュアル信者」

くしくも組織の下と上に属する人たちです。

その人たちがマニュアルをはき違えては、運用どころの話ではありません。

 

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マニュアルの活かし方

冒頭に述べましたが、マニュアルはあくまでも手段です。

マニュアルを作っただけでは何も変わりません。

時代は変化します。変化に合わせてマニュアルを更新しなければ、マニュアルは「劣化」します。

 

 

マニュアルを活かすポイントは、「良いマニュアルを作る」ではありません。

「マニュアルを運用できる人間を育てる」ことが、マニュアルを活かすポイントです。

 

では、どのようなタイプの職員を育てたらよいのでしょうか。

A:マニュアル作りのような細かい仕事が得意な職員。

B:行動力がある、グループのリーダー的職員。

 

どちらも不向きです。

しかし、ありがちですよね。

 

A:「アイツは細かいこと決めるのが好きだから、アイツに任せるか」

B:「アイツは周りの職員をグイグイ引っ張ってくれるから、アイツに任せるか」

 

多くの職場では、このような感じで人選しているのではないでしょうか。

 

A:マニュアル作りが得意な職員は、運用下手です。

B:「自分のやり方に限って」リーダーシップを発揮できる職員は、それは「単に声がデカいだけ」です。

 

「作るのが得意な人間に作らせて、声のデカい職員に運用させる」

というよくあるパターンで進めてしまうと、間違いなく失敗しますよ。

 

マニュアルの運用は、「トライアル・アンド・エラー」できる職員が望ましいでしょう。

 

mataleao.hateblo.jp

 

 

 

まとめ

◆マニュアルは運用しなければ意味がありません。

◆作るだけで満足してはいけません。

◆定期的に更新して、マニュアルの劣化を防ぎましょう。

◆マニュアル信者はマニュアル作りに不向きです。(インプットとアウトプットは違う)

◆現場至上主義者はマニュアル運用に不向きです。(インプットとアウトプットは違う) 

【インプットとアウトプットの違いについてはこちら】

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◆プロジェクトチームを作って、「トライアル・アンド・エラー」できる人間に運用させましょう。

◆マニュアルこそ、組織の業務ログ、労務ログであるべきです。