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とある上司が「褒める」「労う」をしない理由

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「褒める」「労う」大切さ

先日、会社でこんなやりとりがあった。

 

プロジェクトを終えたリーダーに対して、ある出入り業者の社員が声を掛けた。

「お疲れ様でした。本来業務だけでも大変なのに、苦労されたんじゃないですか」

 

すると、リーダーだった社員は、こう答えた。

「ありがとう。そんな事言ってくれるの○○さんだけよ。誰も言ってくれないからね」

 

「褒める」「労う」って大事だと思う。

外部業者の一言でリーダーが救われたのが、手に取るように伝わった。

人間関係を円滑にするには、「褒める」「労う」というコミュニケ―ションは効果絶大のようだ。

 

ところで、私はあまり人を褒めたり労ったりしない。

社会人だから、「見え透いたコミュニケーション」は難なく使いこなせる。

それに、褒めたり労ったりという行為がいくら見え透いていたとしても、もたらす効果が大きいことは理解している。

 

しかし、リーダーを務めた社員と外部業者の会話をその場で聞いていたにも関わらず、私は、その会話に意図的に入らなかった。

なぜ、私が人をあまり褒めたり労ったりしないのか。

なぜ、会話の「空気」の中にいても、褒める展開に敢えて乗っからなかったのか。

 

 

私があまり「褒める」「労う」をしない理由

私は、仕事を評価する基準を「バカ基準」にしたくない。

「バカ基準」とは、最低のバカであっても失敗しないように定められた基準のことだ。

 

【バカ基準についての記事はコチラ】 

mataleao.hateblo.jp

 

 

私は、仕事を正当に評価したい。

こんなことを言えば、「評価どうこうではなく、社員のモチベーションを~~」「デキない社員でもコーチングによって~~」という反論が飛んできそうだ。

 

そんなことは理解している。

 

私は、仕事を評価してそれを当事者に伝える場合、まず観察するポイントがある。

それは、「自分で自分のことがわかっているかどうか」だ。

 

私は、「当事者が自分の仕事を正当に評価できている場合」は、そこに補足を加えるような形で評価する。

良い点にしろ悪い点にしろ、当事者の気づきを促進するような評価をするように心がけている。

もちろん、そういった意味で褒めるし労う。

 

しかし、「当事者が自分の仕事を正当に評価できない場合」がある。

 

これは、やっかいだ。

失敗しているモノを「頑張った」「よくやった」、それに近い言葉を並べるのは明らかに違和感がある。

 

成功しているモノを「失敗した」と言うくらい変だ。

変なことはしたくない。

 

ここでコーチングの出番なのかもしれないが、私は、それは違うと断言する。

コーチングは、「自分の仕事を正当に評価できない社員」には通用しない。

コーチングは、「前向きな社員を更に前に進める」「前向きな社員がつまずいたら起こしてあげる」時に役立つものだ。

 

そして、以下の方程式は正しい。

「自分のことを理解している」=「前向きな社員」

「自分のことを理解していない」=「後ろ向きな社員」

 

 

プロジェクトリーダーへの評価

大した成果もなく課題が残ったプロジェクトに対して、「一言褒めてあげたらいいじゃない」という発想は、「バカ基準予備軍」になる。

 

新人社員や若手社員がチャレンジして失敗した時にかける言葉と、中堅以上の社員に対してかける言葉は違う。

中堅以上の社員を、新人や若手社員同様に扱うこと自体「バカ基準」であり、それを強要してくる人間は、「正当な評価」ではなく「バカ基準で評価」しなければ救えない者たちだ。

 

今回のプロジェクト。

マイナス評価ではないが、次への課題もいくつかあった。

 

しかし、当事者はそれに気づいていない。

次への課題は「私には関係ない」「マイナス評価じゃなければ成功」という意識だ。

 

私が仕事を評価して当事者に伝える場合の観察ポイント、「自分で自分のことがわかっているかどうか」については、残念ながら「自分の仕事を正当に評価できていない」ようだ。

 

私は、リーダーに、プロジェクトの評価すべき点と今後の課題について振り返りをおこなった。

ここで褒めたり労ったりしたら「バカ基準」になる。

私は、リーダーが期待していた「褒める」「労う」などはしなかった。

 

「褒める」「労う」に代る、私のある対応

私が仕事を評価する時の「こだわり」が、もう一つある。

それは、今回のプロジェクトリーダーにもおこなった対応だ。

 

私のもう一つのこだわりは、「センスのない社員を他人と比較して評価しない」だ。

 

中には、他人と比較する上司もいる。

「同年代でリーダーになってないのオマエだけだぞ」

「他のヤツはこんなミスしないぞ」

「社員Aを見習ってみろ」

 

これはこれで「やり方」なのだろう。

しかし私はやらない。

 

今回のプロジェクトリーダーも、センスはなかった。

同年代のセンスある社員にリーダーをさせれば、もっと違う結果になっていた。

特に、リーダーとしての「視野の狭さ」が、プロジェクトの大きな足枷になった。

リーダーとしては致命的な欠陥だが、これはセンスの問題だ。

 

センスについて、いくら振り返って言及したところで意味がない。

おそらく永遠に改善しないだろうし、改善に掛けるコストを考えれば実行しない方がマシだ。

 

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まとめ

私以外にも、「センスのない社員を他人と比較して評価しない」上司はいるはずだ。

だとしたら、普段、上司から受けている「コーチングの裏に隠れているモノ」を見極める必要がある。

 それを意識できたら、今後のスキルアップの道しるべとなるだろう。

 

 

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