私の日常には地下鉄を待つ時間がある
日本人には列を作って並ぶという文化があって、それが素晴らしいということでメディアに取り上げられたりしている。
地下鉄の改札をくぐった。
ホームに向かって階段を降りている時、エスカレータに乗ってホームから上がってくる人達とすれ違う。
ホームに着くと、地下鉄はすでに出発していた。
「クソ。。今着いたところか。。」
ホームに人はいない。いつもの場所で、スマホをいじりながら次の便を待つ。
扉が開く位置は、ちょうど柱が出っ張っている。
素早く乗るにはベストポジションだが、そこへ陣取ると往来の妨げになる。
そこで私は、いつも柱の右側のくぼみに納まる。
「妙にしっくりくるんだよな、ココ」
しばらくしてスマホから顔を上げると、誰もいなかったホームにはいつの間にか人が集まっていた。
私の右側にもズラリと人が並ぶ。
並んでいる人ばかりではない。
自分にとっての定位置に移動するため、並んでいる人の前をゾロゾロと歩く人たち。
そして、並びたいけどスペースがないため、なんとなく並んでいる風な人たち。
「もうそろそろ来るな。。」
直後、地下鉄が来た。
この時、列に並ぶことができずに、納まりどころがなかった人たちが動き出す。
扉の真ん前。
柱が出っ張っているため、誰もが避けて私も避けるあの場所。
そこに、バタバタと陣取る。
と、扉が開き乗客が降りはじめた。
そのあと、一番はじめに乗ったのは私ではない。
あとから来て、扉の前に陣取った人たちだ。
そして私は4番目。
「よし、昨日は5番目だったから、今日は勝ちだな」
ちなみに昨日も一番に並んだのは、私だった。
日本人には列を作って並ぶという文化があって、それが素晴らしいということでメディアに取り上げられたりしている。
だから、私がとやかく言うものではないんだろう。
素晴らしいってメディアが取り上げているんだから。
とゆー話。