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上司と部下の間に存在する「情報の非対称性」を解消するためのヒント。「理念の共有」や「目標管理」の落とし穴。

ビジネスマインド

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情報の非対称性とは

「情報の非対称性」をご存知ですか。

情報の非対称性は、相手が持っている情報量と自分が持っている情報量に差がある時に作用します。

 

例えば、外回りの営業職の場合、一旦外に出てしまうと、上司は営業社員の行動を把握できません。
つまり、「営業社員の外回りの様子」という情報について、上司より営業社員の方が圧倒的に情報量を持っている事になります。(当たり前ですよね)

 これを情報の非対称性と言い、さまざまな問題が生じる原因となります。

 

外回りが終わって業務報告を上司にする時、営業社員は、大型家電量販店の駐車場や公園の横に社用車を停めて昼寝をしていたことを報告しますか。

 

しませんよね。

 

では、なぜこれが通用するのでしょうか。

それは、持っている情報量が違うからです。情報の非対称性が作用している場合、自分に都合の悪いことは隠してもバレません。

自分にとって多少都合の悪い状況になったとしても、ごまかし通せるのです。


しかし、これは組織にとって良いことではありません。
組織の成長が停滞するからです。
ですから、特に営業職などはインセンティブ(歩合給)によって、サボらない状況を作っています。
成果に応じて給料が上がるのであれば、営業社員はサボる暇を惜しんで仕事をするからです。

情報の非対称性 - Wikipedia

 

 

情報の非対称性には、理念や目標は通用しない

私は、「情報の非対称性」が作用している職場では、いくら上司が理念や目標の重要性を説いても意味が無いと考えています。

つまり、理念や目標の重要性を説くことで「情報の非対称性」を解消しようとする上司はダメ上司です。

ましてや、情報の非対称性が作用していることさえ気づかない上司は、もっとダメ上司です。

 

しかし、インセンティブが設定されていない組織が多い中、上司はどうやって情報の非対称性を解消すれば良いのでしょうか。

「わが社の理念を共有して~」「職員それぞれ目標を設定して~」といった方法は、なぜ通用しないのでしょうか。

 

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①人間の特性を理解しよう

情報の非対称性が作用していると、不都合な情報は隠してもバレません。
となれば人間はサボろうとします。

理念を共有できていないからサボるわけではありませんし、目標を設定していないからサボるわけでもありません。
答えは簡単。バレないからサボるのです。

②理念や目標のマイナス面を理解しよう

理念や目標を押しつけたところで、対称性を担保できるわけではありません。

ビジネス書かぶれの上司は、理念や目標が大好きかもしれません。

しかし、職員はどうでしょうか。

多くの職員は、正直なところ理念や目標に興味がありません。

理念や目標管理を謳ったビジネス書が売れている現状が、それを暗示しています。

 

しかも理念や目標は、「他人に押しつけられたら嫌なものランキング第1位」という

実は取り扱い注意の代物なのです。

 

対称性を担保するには、押しつけられたら嫌なものではなく、押しつけられると気持ちが良くなるものでなければなりません。

 

自分が理念や目標好きだからと言って、全員が好きとは限らないのです。

 

 

③部下の関心事は、会社なのか自分なのか理解しよう

やる気を引き出そうと、「今が組織一丸となって~」「組織の方針として~」という話を、朝礼で上司が部下にします。

「組織一丸」とか「組織の方針」とかいうフレーズで部下を鼓舞できるでしょうか。

 

そういったフレーズが出て来た時点で、その後の話しは職員の耳に入りません。
全校集会で校長先生の話が耳に入らないのと同じです。

 

そんな状況で、後日上司が「先日の話しは社員に浸透しているかね」と部下に尋ねたら、部下はなんて答えるでしょう。

もちろん「はい。組織一丸となって頑張っています」と答えるに決まっていますよね。

だって、情報の非対称性が作用しているので、「頑張っています」とウソをついたところでバレませんから。で、バレないからウソをつけますし。

 

繰り返しますが、問題は、組織が一丸となっていないからではありません。ましてや組織の方針がマズいからでもありません。

上司と部下が持っている情報が非対称になっているのが問題なのです。

 

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まとめ

部下の話をそのまま信用できるのは、上司と部下の情報が対称の時だけです。

情報が非対称な状況で鵜呑みにしてはいけません。

 

これは、「部下を信用するな」という意味ではありません。
「部下を信用したければ、情報を対称にする工夫をしろ」と言っているのです。

組織の理念や目標を部下に押しつけても、情報は対称になりません。

部下にとって、「情報を対称にした方がメリットになる話」をして情報を引き出しましょう。

 

市場で、買い手と売り手の間に情報の非対称性が存在した場合、情報を隠している側も不利益を被ります。
売り手が情報を隠せば、買い手はハズレを掴まされないように用心するようになります。
結果、買い手は落としどころを探って、「値段は高いけど良いモノ」ではなく「なるべく値段が安い良くないモノ」を買うようになり、売り手は本当に価値があるモノを売ることができなくなるのです。

上司と部下の関係でも同じことが言えます。

部下が情報を隠せば、上司は最初から2割差っ引いた評価をするようになります。

結果、組織だけではなく、部下自身も自らの評価が下がって不利益を被ることになるのです。

 

効果があるのは、部下が不利益を被らない話だけです。 

間違っても「誰も見ていないところでサボらない」という理念や、「サボる日を10日から3日に減らす」といった目標で管理しないようにしましょう。

 

 

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