へなまズルい社員Aが起こしたデジャブ現象に巻き込まれた話
人の集まりって、だいたいどこも同じ。
学校も部活も、そして会社も。
「2割の変わり者」と「8割のその他大勢」で構成されている。
8割のその他大勢の話をしても面白いことは一つもないので、2割の変わり者について話したい。
2割の変わり者にも大きく分けて2つのタイプがある。
1つは、皆と違う視点を持ちアイデアに富んでいたり、あるいは同調圧力を跳ねのけるメンタルタフネスを兼ね備えているような、自分を活かして組織に貢献するタイプ。
もう一つは、「あなた、成立してないけど、大丈夫?」というような、ツッコミどころ満載なタイプ。
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社員Aとのプロジェクト
先日、後者のタイプ(社員A)がメインで遂行するプロジェクトがあり、私がサポート役を務める機会があった。
社員Aが戦力にならないことは会社の中では周知の事実で、当然私も社員Aに対しては皆と同じ評価なので、抜かりの無いようにプロジェクトを進めたかった。
社員Aは自分に甘くて他人に厳しい。
自分が楽するために他人がしんどくなっても気にしない。
自分は他人を手伝わないのに、自分が手伝って欲しい時は、「協力って大事やで」というようなタイプ。
最初は、計画通り仕事が進んでいた。
失敗するリスクを常に考えながらプロジェクトを進めていたため、いつもより神経を使ったが、その分非常に丁寧に進んでいたので、私自身そこそこ充実感があった。
いよいよ、終盤にさしかかった。
当然といえば当然だが、全てが計画通りにいくことなんてない。
そのため、最後はちょっとごまかして目標を達成した。
ここまでデキたら合格点だろう。
なにせ、社員Aをサポートしてこの結果なんだから。
あとは、ちょっとごまかした部分を修正して、終わりにしよう。
私は社員Aと一緒に、ごまかした部分の修正作業に入った。
(ちなみに、「ごまかし」「修正」といっても、不正をしているわけではない)
これが終われば、トラブルなく終了だ。
修正作業に入った途端、社員Aが本領を発揮しはじめた。
修正作業が全く進まないのだ。
私「修正のやり方がわからないのか?」
社員A「日付が違っている部分を合わせたら良かったんでしたっけ?」
私「そうそう。それだけ」
その後も、修正作業が全く捗らない。
社員A「ダメです。照らし合わせても日付が合わないんです」
私「なんで?日付が合わないっていう意味がわからない。期間内で任意の日付にしたら良いだけなんだよ」
社員A「でも、当初の計画ではこの日付ではありませんでした」
私は理解した。
社員Aは、計画序盤に自分がエネルギーを注いで上手くいった項目について、手垢を付けられたくないのだ。
社員Aに突きつけた言葉
成功体験を積み重ねてくれるのは大いに結構だが、必要以上に美化して、仕事で思い出づくりをされても困る。
黙ってれば良いのだが、私はこういう時黙っていられない。
私「日付を合わせられない意味がわからない。終盤は計画がズレてたよね」
社員A「はい。。。」
私「それはどうやって修正するつもりなの?」
社員A「期間内で日付を合わせます。。」
私「それと同じことをすれば良いだけだよ」
私「自分の中で上手くいった部分を大事にしたいのはわかるけど、そもそも、終盤をごまかさなければ、プロジェクト自体上手くいってなかったんだよ」
私「つまり、自分が上手くいったと思っている部分は、ごまかしの上で成立しているんだよ」
社員Aは、苦笑いしていた。
私は、社員Aに今修正している部分は一旦手を止めて、プロジェクトの終盤について修正するように指示した。
計画通りに進んでいた序盤を修正するよりも、きっと社員Aも楽な気持ちで作業できるはずだ。
すると社員Aは、私の予想通り、何のためらいもなくバシバシと日付を合わせていった。
そして終盤の修正は終了して、改めて序盤の修正をすることになった。
すると、社員Aは、あろうことか手を止めて思案しはじめた。
私は呆れながら社員Aに質問した。
「何か問題でもあるのか?」
社員A「いや、でも計画ではこの日付ではなかったんですよね」
とゆーはなし。